「報酬を得るというコト 〜ダルビッシュのメジャー挑戦から〜」
2012年2月
コンサルタント
黒石泰平
ダルビッシュのメジャー挑戦、米大リーグ、テキサスレンジャーズ移籍の話題が盛り上がりを見せている。その焦点は契約年数と莫大な契約金にあったとされているが、私自身その報道から、転職を検討する候補者について考えを張り巡らせる事に至った。
去年、アスレチックスとの交渉がこじれた岩隈に関して、「ポスティングでカネで揉めるなんて信じられない。自分がアメリカに行くときは、代理人にどんな条件でも絶対に行くからって伝えた。アメリカではまったく実績がないのだから当たり前だよね?アメリカで野球をやりたいならそれぐらいの覚悟がないと」と話したイチローのコメントがあり、当時納得、共感を覚えた。もしメジャーリーグに行くとなるくらいならば野球を辞めるとさえ発言していたダルビッシュ。世間から「結局カネが目的か?」と疑われても仕方無いのかもしれない。
私自身、非公開の匿名求人案件やクライアントとの機密保持契約上、スカウト対象者に対してはメールアプローチに対しても、極力First Contactでの企業名明記や詳細なJob Roleの記載は避けている。ただし、いざ面談に入らせて頂くと、詳細を伝える前から就業条件(年収、福利厚生の手厚さ)やtitle(役職名)、希望条件、残業の有無の確認をしてくる候補者を多数見受けるのだが、これに対し、非常に違和感を覚えている。当然、『現職/前職で残してきた実績や成果に対する評価が低い、それに見合う対価をもらっていない』という思いから年収/役職UPを探る転職希望者もいるだろうし、日々過労で倒れそうな時間労働を強いられているような就業環境に身を置いていれば、環境改善が転職希望の背景にある方もいるだろう。しかし、まずはそれ以前に『自分自身がどんな知見を深め経験をし、どんな実績を残したか?』これまでのキャリアを棚卸し、 その経験や実績が『どんな職責/役職として役立てられるか?その先の企業に対して利潤をもたらし、社会に還元出来るのか?』を考え推測して欲しい、と考えてしまう。
当たり前の事だが、会社は当然候補者のそれまでの知識/経験を評価し、『自分の会社で活躍して貰う事が自分の会社にとって有益だ。報酬、つまりは対価を払うに相応しい方だ』と判断出来たからこそ中途で採用をする。それ故候補者は、採用企業の期待に応える実績を転職先で残し、評価された上で報酬を得るべきなのだ。ダルビッシュも、まずは要求ばかりをつきつけるのではなく、まずは最低限野球が出来る環境を整えるだけの契約金を得て渡米し、メジャーでの成績を残し、球団やファンからの評価を得た上で妥当な”報酬”を得るべきだと考えてしまう。
サラリーマンとは言え、決められた時間に、単に任された範囲のみの与えられた仕事をこなせば良いという存在では、自分も、企業も、強いては日本社会の成長は無い。改めて自問自答してみて欲しい。 『これまでのアナタの働きは、支給されたお給料/賞与以上の価値を、企業に、社会にもたらしましたか?』
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